介護1年生の日記 インフルエンザパニック(後編)

こんにちは、介護はじめました。newginです。

昨年11月、晴れて某メーカーのグラフィックデザイナーというお仕事から足を洗い、以前から興味のあった介護の仕事に飛びこみました。(詳しくは過去の記事「転職後に感じたメリット」をご覧ください)

http://newginland.com/2018/01/31/post-37/ ‎

経験も資格も完全に0の状態からチャレンジしている看護1年生のわたしの気づきや思いを、介護の専門家ではない今後両親の介護を考えていかないといけない世代の人たちと共有していけたら、という思いではじめたブログです。

今回は前回に引き続きnewginの働く介護施設で発生したインフルエンザ感染によりまきおこった「インフルエンザパニック」の後編をお知らせします。

前回までのあらすじ

http://newginland.com/2018/02/13/post-241/

フロア内で最も健康で若々しく、予防接種まで受けていた80代男性沢村さん(仮名)からはじまったインフルエンザパニック。

普段から介護されなれしていない沢村さんに対するスタッフの必死の説得が繰り返されるなか、認知症&強い帰宅願望を持つ坂本さんへの感染が発覚します。

行動が制御できない坂本さんへの感染を元にナースが下した苦渋の決断は「坂本さん以外全員個室退避」という異例のものでした。

これで被害の拡大は押さえられる、と安堵するスタッフでしたが、その背後にはひたひたと次の脅威が迫っているのでした。

個室退避による業務爆発

坂本さん(仮名)への感染を元にはじまった「全利用者個室退避」

感染が広がるのを防ぐため食堂や風呂、トレーニング室など、人が集まる場所への出入りが禁止になり、newginが担当するフロアの居住者さん全員が自分の部屋に隔離される形になりました。

この状況は以降3週間つづくことになります。

この中でも一番痛かったのが食堂の閉鎖でした。

食堂が開いていれば、配膳や下膳が短期間で効率的に行えますが、各部屋に配膳するとなると数倍の時間がかかります。

また、運ぶ手間がかかるだけでなく、食べ終わったかどうかもいちいち部屋にはいって確認しないとわからないですし、これまでは食事介助をしながら全員を見守るというWワークが自然にできていたのがそれもできなくなるため、非常に非効率です。

また食堂には食事をすること以外にも「不穏な行動を取られる利用者さんを見守る」という重要な機能があります。

数少ないスタッフで利用者さんの安全を確保するため「見守りが必要」と判断した利用者さんを食堂に集めて1人のスタッフが常に目を配るというシステムになっているのですが、個室対応だとそれもできません。

さきほど「各部屋にナースコールが設置している」と書きましたが、「見守りが必要な利用者さん」は、基本「ナースコールを意識しない」かたがほとんどなので、定期的な巡回が必要になります。幸い今回の期間では転倒などのトラブルは発生しませんでしたがリスクは大きいですね。

スタッフへも感染広がる

この期間同じフロアスタッフへの感染はなかったのですが、ナースや他のフロアのスタッフの複数人に感染が広がりました。

病気などの突発的な理由で急な欠員が出ると、他のフロアの出勤メンバーでヘルプに回ることになるため、ただでさえ圧迫される業務がより厳しい状況になります。

派遣社員のnewginには、人員不足による負荷は比較的かからなかった(それでも急な残業の依頼などはありましたが)ですが、この期間、施設全体でスタッフ不足が常態化しており夜勤者が翌日の日中のヘルプに回るなど、過酷な状況が続いていました。

ほんとにスタッフの方が先に倒れてしまうんじゃないかと心配になることもありましたね。

坂本さん、爆発する

坂本さんの感染発覚から約1週間後、個室待機のため部屋に連れ戻され続ける坂本さんと別のスタッフの間での押し問答がきっかけに、坂本さんが激高するという事件が発生します。

興奮状態を抑えるために押し問答のきっかけとなったスタッフと対応を変わりnewginが対応することになったのですが、一度ついた火はなかなかおさまらず、ひたすら傾聴し続けました。

その間こちらからも相槌をうったり軽い声掛けをしたりもするのですが、興奮状態にある坂本さんが顔を目の前にもってきて「わたし耳遠いから何言っているかわからない!マスクとってちゃんと説明して!」と迫ってきたときはどうすることもできず、感染する覚悟でマスクをとって説得にあたりました。

今でも思いますが、よく感染しなかったものだと思います

多分ただただ運が良かっただけなので真似してはダメですよ!

限界に達する健康な人たち

個室待機から2週間経過したころ、そろそろ限界に達するひとたちがでてきました。

食事を運びに行くたびに「いつになったら外に出れるのか」と聞いてくる人、スタッフの目を盗んで、他の居住者さんの部屋にはいりこんでしまう人、何度注意しても食堂に戻ってくる人などの対応に追われることになりました。

また、他人とのコミュニケーションが減ったのが原因でしょうか?明らかに少し痴呆が進行してしまったような発言をする人も出始めて、newginも「利用者さんがもたない!はやくこの状況が終わるように!」と強く願うようになっていました。

ちなみにこの時期。インフルエンザパニックの発生源である沢村さんも回復してから1週間程経過している状態だったのですが、その沢村さんから「誰のせいでこうなっているのかは知らないけど、いつまでこの状態続くんですか?」と責めるような口調で質問されたときには、さすがに「いやいや、沢村さんは言ったらダメでしょ!!」って毒づいてしまいましたね。もちろん心の中でだけですが!

終息宣言

ついにこの日がきました。待ち望んだ個室待機解除宣言です。

沢村さんの感染からスタートした今回の「インフルエンザパニック」。

約3週間の期間、本当にながく厳しいものでした。

それでも食堂に姿を現した利用者さんたちのほっとした表情を見ると、自分ごとのように安心したやすらかな気持ちになれるのがこの仕事のやりがいですね。

介護の世界は基本「人手不足」と言われています。newginの勤務先もそれにもれることなく、常にギリギリ最低限の人員で回している状態です。

この余裕のない人員で回すことが常態化してしまっていては、今回以上のアクシデントが起きたときに対応しきれないなというのが率直な感想です。

そんな現状が全くないかのようにnewginの住む地域にも大型の介護施設が続々とオープンしていっています。

そんな新規オープンの施設を見かけるたびに「箱だけできても中身が伴わない施設だけできていっているのではないか」と心配になります。

杞憂だといいのですが。

今回のまとめ

今回は前編・後編にわけてnewginの施設内で発生した「インフルエンザパニック」の詳細を記事にまとめてみました。

介護という仕事はからだの弱いお年寄りの方が相手の仕事ですから、たった数人のインフルエンザ患者が出るだけで想像以上の対応に迫られるものですね。

今回の件について、担当のナースさんと話をしたところ、隔離された介護施設に置いて病気の発生源は外部から持ち込まれることのほうが圧倒的に多いようです。

このブログを読まれているかたで、このような施設に訪問する機会があるかた、もしくは今後そういう場面に直面した時には、「病気を持ち込まないよう」十分注意して施設に訪問していただけたらと思います。

それでは今回はこのあたりで。

またひとつ、貴重な経験を積むことができた介護1年生newginでした。
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